Vermont Studio Center でのアーティストインレジデンスについて 

2018年11月から12月までの一ヶ月間アメリカのバーモントスタジオセンター Displaced artist program というプログラムの元、にアーティストインレジデンス(滞在制作)にいってきました。

これはDisplaced Artist Fund 財団が主催した被災したアーティストにAIRの機会を与えるというプログラムです。

​アーティストとキュレーターがおよそ50人が滞在するというメガレジデンスでした。滞在場所、食堂はもちろん、ヨガスタジオや電気釜、彫刻のための電動工具、画材屋さんが併設されていて、その設備の充実度にも驚きました。

私は熊本を拠点に活動しており、2016年に熊本地震で被災しました。

おもちゃみたいに壊れた街並みを見て感じた、自然の容赦のなさ、こちらの都合を無視した子どもっぽさは、私の制作に大きな変化を与えました。

当時、被災地の中にいたわたしは、周りの人からの深刻そうな声掛けに嫌気がさし、それよりもユーモアやくだらないことに大変救われた体験をしました。それは、のちに自分の作品についてのアイデア出しの時に、ユーモアのある方を選択するようになる制作に変化を生みました。

以前は表現が写実的なものをつくる傾向でしたが、被災した以降は、アクセスを容易にさせない、わざと説明をスムーズにさせないような制作をするようになりました。その方が、鑑賞者と私との間の、予定調和を崩し、そこで生まれるクスっとしてしまうようなやりとりを大事にしたいと考えたからです。

その制作の試行錯誤の時期だったので、バーモントでの一ヶ月間は制作に没頭し、実験できる機会だったように思います。

南国生まれの私には、極寒の冬の雪の降らない日が珍しいバーモント、そして日本人で来ているのは私一人の生活は、予定調和などできるわけなく、トライアンドエラーばかりの一ヶ月でした。そのなかでも、かっこ悪い思いも情けないことも、逃げたい思いもたくさん経験したけれど、わたしはそれらを受け入れたい、繋がりたいと思えたのが自分を信用でできる材料になりました。

 

そこで得た、自分は、それらを受け入れたいと思えたし、自分はそれらに、受け入れられるかもしれないという、感覚もしくは、錯覚は本当に制作の上で大切なものになりました。

 

 

 

 

しまうちみか

 

ブログにも記事がありますのでそちらもご覧ください。

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