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浜田知明回顧展「忘れえぬかたち」を見る

June 9, 2019

 


2018年に100歳で亡くなった浜田知明氏の回顧展を熊本県立美術館に見に行った。
浜田知明氏の作品は、わたしが中学校三年生の時に初めて出会い、衝撃をうけてから、以来大好きで大変尊敬している。
可愛らしく見えるおどけた顔、キャラクター的な表現の人物が、首を吊ってる。目には一粒涙。初年兵哀歌シリーズの「便所の伝説」だ。
この人物は少年なのはわかるけど、人物の表現が単純化されているので、この少年がどこの国の人かわからない。



私は、歴史の授業で、小学校や中学校で戦争の写真を見るとき、先生から「この写真には残酷な場面もあるから、みたくない人は見ないで下さい。」と前置きがあり、伏せた状態で戦争写真集が教室をまわっていった。
何人もの生徒がその写真を見なかった。
わたしはその焼け野原や死体の写真を見て、目を瞑りたい気持ちになった。でも見ないのはもっと嫌だったから見た。でもなんだかリアリティを感じにくい感じがした。白黒写真でアメリカ兵や日本兵などが写っていて、ずっと遠い昔の異国の、まるで自分とは別世界の出来事のように感じた。

浜田先生の戦争体験を元にした版画作品は、中学生の私にも、戦争のリアリティを、やさしくわかりやすく見せてくれた。
これはあの授業でみた戦争の写真よりずうっとリアルに感じれた体験だった。




この少年(初年兵哀歌の)には、どんな国の人も、戦争で勝った国の人も負けた国の人も、思いをはせることが、自分に重ねることができるんじゃないかなと思った。アートの凄さを感じた。

2015年に私がイタリアに旅行したときに、ウフィツィ美術館の前、巨大でひんやりとした門の前に立った。ここに浜田先生の作品が収蔵されてるんだなと感じたとき、ほんとにそう感じた。


 

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