「あんまり早くきても間抜けだろ。」 私はいつも パーティーにすこし、早く着いてしまう。 たしかに、自分が主役でないパーティーで、あんまり早く来ても やることないし、 ぎこちない。 主催者は忙しそうにしていて、 会場にポツンと座るにも自分の後ろ姿を想像すると、なんとも間抜けだ。 かといってなにか手伝いましょうかと言っても、だいたい気遣われて断られるばかり。 だいたい、わたしはいつも パーティーが始まるまでトイレの鏡の前に立って、ぼーっとしたり、慣れてないハイヒールで遊んだりして時間をつぶした。 南嶌先生はそのパーティーにすこし、遅れてきて、 私に悪戯っぽく 「あんまり早く来ても間抜けだろ」 そう言った。 それがかっこよかったな。 それから何年もたって、 一つわかったのは、 わたしはそんな風にはできない。 それは、悲しいことじゃない。 こんな気分になることにしたよ。 花見のビニールシート役 明るい時間から、 いいところの席をみんなが来るまで待ってみる。 案外お尻がつめたかったり。 でもまだ、始まってないから暇だし、寝っ転がったりしながら 待ってる。 案外わるくない気分だよ。 でも、 花見のビニールシート役って なんであんなに間抜けなんだろうね。
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