• Shimauchi Mika

手は汚れたままである


何一つ企みがあるわけではない

全くの下手物である 作る者は卑下して作ったのである 個性など誇るどころではない 誰にでも作れるもの 誰にだってできたもの ろくろは芯が緩んでいるのである 形に面倒はいらないのである 仕事は早いのである 削りは荒っぽいのである 手は汚れたままである

部屋は暗いのである

焼き方は乱暴なのである ひっつきがあるのである そんなことにこだわっていないのである 安物である 誰だってそれに夢なんて抱いていないのである。 これが天下の名器、大名物の正体である 抜粋: 柳宗悦『茶と美』、「喜左衛門井戸を見る」より


10回の閲覧

© 2018 by SHIMAUCHI MIKA. Proudly created with Wix.com