• Shimauchi Mika

高校生のとき


高校生のとき 私は油絵を描いていた。 親友も油絵を描いていた。 F15号の油絵の課題をしていた日だった。 私は時間いっぱい描いた。時間が見えないことが怖かった。描けば過ぎた時間が見える。 親友はその日一日キャンバスに筆を入れなかった。キャンバスは一日経っても白いままだった。彼女は何をしてたかというと、ずっと絵の具を練っていた。自分の思うピンクを作りたいと。 ピンクは赤と白を混ぜる。 でも彼女は赤の中でも色々な色、クリムゾン、スカーレット、バーミリオン、パーマネントレッド、白の中でも、色んな白、透明感のある白、壁紙のような白、白の配分、ほかにもベージュ、やレモンイエローとか、具体的な色は私の予想だけど、でも、とにかく赤を混ぜては白、白を足しては赤、を繰り返し、絵の具の量はどんどん増えていっていた。 そして混ぜる時にパレットをいっぱいに使って、しっかり混ざるように大きなペインティングナイフで何度も何度も混ぜる。 そして一日が過ぎていた。 そしてびっくりすることに、その絵に一生懸命作った、そして大量にあるその色をちょこっとしか使わなかったりする。 それは私にとって美的な体験だった。頭がビリビリとした。もったないとか、せっかくだからとか、普通こうだろうとかいうものが画面の中には通用しないということを、彼女は誰かに習ったんじゃない。ずうっと前から知ってたんだ。けろっとしてる。


33回の閲覧

最新記事

すべて表示

山の木が一本倒れ落ちたことについて

遠くの山の木が一本 確かに倒れ落ちた ゆっくり倒れ落ちたということは その木はわたしより何倍も背が高いということ そして、 そんなに大きな木が倒れ落ちたのに 音は聞こえなかった それは車で爆音で音楽を聴いてたからじゃない それはわたしのせいじゃない ただただ遠くにあったからだ

作品について

もしかしたら みんなわかってくれているかもしれないし わかってくれないかもしれないけど 精一杯 平気にみせる 一生懸命 なんでもないようにみせる ストイックに のびのびと みせてるんだ 意味ありげにしたりするのは、 違う それをすることが 大事なことだって信じてる 子供でさえ、そうすることがあるよね そういうときに 心打たれるときがあるということ それだよ、私がいいたいのは せいぜいそのくらいだ

© 2018 by SHIMAUCHI MIKA. Proudly created with Wix.com