昨年、トランジットのためニューヨークに一泊できることになった。ちょうどクリスマスイブの日だった。 ただレジデンスが終わってすぐの旅行で、1ヶ月分の荷物も手元にあり、体力も精神もへろへろに疲れ果てていて、飛行機も遅れるし、色んな調子がよくなかった。 携帯の充電器を忘れてしまうし、調子にのってかっこよく見えるように薄着をしてしまったし、よく地図とか下調べもせずにいてしまった。
ニューヨークのクリスマスは、私の大好きな 小説、ライ麦畑で捕まえての舞台なのだ。 ニューヨーク、クリスマスというシチュエーションは、ゴッドファーザー、ホームアローン2とかもだね。
ライ麦畑で捕まえて は ホールデンがニューヨークを彷徨う話だ。 小説に出てくる、もちろん美術館もいきたいけど、たった一日しか過ごせないから、まずセントラルパークを目指した。 ただ、セントラルパークの入り口が分からない。 セントラルパークは目の前にあったのだけれど、入り口がなくて入れない。やっとの事で入り口らしいところをみつけた。セントラルパークの湖は凍っていなかった。
あと、一番見たかったのがセントラルパークにある、ラストシーンのフィービーが乗っていたメリーゴーランドだ。
でも、そのころには日が暮れていて、私はどうしようもなくまよってしまった。何故こんな迷ってしまったかというと、携帯の電池も切れて、グーグルマップは開けないし、メリーゴーランドのところは早々と営業を終わらせ、それらしい光みたいなものを探していたのに、見えなかったからだ 。見つけたときにはシャッターが降りていた。たまたま警察がいたから、ここがセントラルパークの回転木馬かと聞いてみた。彼らはそうだよ、明日の朝には開くから明日来たらいいよといった。その時私はもうニューヨークにいないのだけど、、。「そうするよ」と言った。 せっかく行ったのに開いてないなんてよくあることだ。そして、わたしはホールデンが、回転木馬に乗るフィービーを見ていただろうベンチに座ってみて、こういう気持ちも悪くないと思った。 結局、セントラルパークを出るのにも2時間近くかかった。脳みそが働いてなくてでたらめに歩いていたんだろう。でもメトロポリタンミュージアムもチラ見できたし、(オセアニア美術に一番感動した)早足でチェルシーのギャラリーもチラ見できた。帰り方も調べ忘れたので、色んな人に聞きまくり、間違ったところにも連れていかれたが、最後本当にこまったときには誰か助けてくれるもので、なんとか私は終電に乗れた。